【2009TIFF】 「台北に舞う雪」 記者会見
【 東京国際映画祭2009】
今日はバタバタの1日でした。
エジプト映画(オマー・シャリフのコメディ!)を一部だけ観て、そのあとこの会見、
そのまま陳果(フルーツ・チャン)&崔健(ツイ・ジェン)監督による「成都、愛してる」の
ティーチイン取材、そのままタイ映画「ベスト・オブ・タイムス」を観てから
会見のテープ起こし@六本木の喫茶店。
「台北に舞う雪」 記者会見
2009年10月18日(日) 15時 @六本木ヒルズ
HongKong Addict Blog
写真は主催者の許可を得て撮影しています。
無断転載御遠慮ください。
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F: 霍健起(フォン・ジェンチー)監督

C: 陳柏霖(チェン・ボーリン) T: 童瑤(トン・ヤオ)
Y: 楊祐寧(トニー・ヤン) M: 莫子儀(モー・ズーイー)
Q:日本人による脚本、台湾でのロケについて
F: 日本の脚本を貰って、それがたまたま台湾の若者たちの愛情物語だっただけで、大切なのは私がその脚本に感動して映画で表現したいと思ったということです。今回台湾の人々と仕事をしたわけですが、同じ華人で言葉も共通しているから、今までとなんら変わりはありませんでした。中国の地方都市、たとえば青島(チンタオ)でロケをするのと同じ感覚でしたね。そいういう意味で距離感のない仕事ができてよかったと思います。ここにいる4人以外の俳優やスタッフ、皆が努力し、本当にいいチームワークであ・うんの呼吸でスムースに撮影が進みました。
Q:監督の印象は?
C: 今まで僕が仕事をした中でイチバン優しい監督でした。インタビューでもそれを言い続けているんです。クランクアップまで一度も声を荒げたことがありませんでした。スタッフが何か間違ったことをしても「大丈夫、もう1回やろう」と言ってくれます。僕が演じたモーという役は、若い時の監督の姿なんじゃないかと思う。監督はこういう若者だったんじゃないかと。
T: 第5世代の有名監督をお仕事ができて光栄でした。初めて会った時はとても真面目そうだと感じましたが、実際の監督は子供のような心を持っている方ということがわかりました。私たちが遊んでいると必ず参加しようとして、とても好奇心が旺盛。その好奇心が俳優それぞれの個性をみごとに捉えていたと思います。
Y: やはり最初は監督と仕事をすると知ってとても緊張し興奮しました。とても有名な監督ですし、今までの作品も見ていましたから。初めて会ったとき、監督が僕をじいぃいっと見つめているので何を言われるんだろうと思っていたら「台北でいちばん面白い所はどこ?何が美味しい?」という質問で、一気に緊張がほぐれてすべてを監督に任せようと思いました。監督には本当に感謝しています。今回も東京で、仕事が終わると「さぁ、食事に行こう」と僕たちを誘ってくれます。
M: 監督の美意識は素晴らしいと思います。監督は菁桐(チントン)という慣れないロケ地でもすぐに美しい場所を見事にとらえます。人の心もいちばん良い部分を掴んでくれました。そういう部分を僕も学びたいと思いました。監督と仕事をしていて本当に楽しかったです。こんなにいい人がこんなにいい作品を撮るというのは、実はとても難しいことだと思うので、監督にそのコツを教えて欲しいです。監督の人生哲学に興味があります。
F: 俳優は誰もとても繊細だと思うから、あまり厳しく怒ったら演技が萎縮してしまうだろうと思いました。ましてこの4人は本当に若くて可愛らしくて華やかで、とても彼らを怒るなんてできませんでした。彼らが演じるキャラクター
はどれも私が大好きなものなので、温かいチームワークで温かい作品を作り上げることができたのだと思います。
Q:役作りについて
C: 僕が演じるモーという青年はチントンという町を一度も出たことがないから、きっと外の世界のとても好奇心を持っているだろうと考え、それを強調しようと思いました。実際の僕はこの世界に入ってあちこち飛び回ってとても視野が広がりましたが、モーはそれがないから世間を広く知りません。そのぶん、純粋な心を持ち続けていると思うのでそれを演じようと思いました。モーは町の人々の暮らしを助けて忙しそうに見えますが実は一種の現実逃避なのではないかと解釈しました。いなくなった母親や夢を追いかけたいけれど、どうすればいいのか分からない。そういう気持ちを紛らわすために忙しく働いている、そういう理解でモーを演じました。
T: メイという歌手を演じることになって、脚本を読んで自分なりに考えた役作りは、個性の強い歌手というものでした。その後監督と会ってお話を聞いたら「ナチュラルで天然な感じでやって欲しい」ということでした。その方がリアリティがあり人を感動させるだろうと。なるほどと思い無理に演技を作ることを止めました。むしろ私自身に近いものを引き出し、あたかも私がチントンの街に暮らしている中でモーやレイ(楊祐寧)に出逢った、という気持ちで今までの経験を活かして演じてみました。

Y: 僕が演じたレイという音楽プロデューサーは陰鬱でアンニュイで、音楽に対しては非常に厳しい完ぺき主義者なんです。実際の僕とはまったく正反対の性格です。だからみんなと一緒に遊んだりしたかったのですが、役作りのためになるべく皆に近づかず楽しそうにしている彼らに染まらないようにするのが本当に辛かったです。でもその気持ちが役作りには有効だったと思います。今回の役は髪型やファッションも今までとまるで違っているので、僕のそういう一面を見てもらえると思うし僕にもこういう役ができるんだというアピールにはなっていると思います。
M: 僕はジャックという芸能記者を演じています。観客を映画の中に引き込んでいく役柄だったと思います。メイという失踪した歌手を探して台北からチントンの街へ観客をいざなうわけです。実際、台湾では僕たちと芸能記者というのはとても微妙な関係にあります。だから記者の友人にどういう気持ちでスターを追うのかを聞いてみました。ニュースとして価値のあるもの(売れるもの)が優先されることに、彼らなりに葛藤を抱えていることを知りました。その話はとても参考になりました。ジャックは記者としてではなく、個人的感情でメイとモウを助けたいと思うようになる。彼らが新しい道をみつける手助けをしたいという思いを次第に強めていくわけです。

Q:中で使われる音楽の選曲について
F: 台湾ポップスは中国でも有名です。たくさんの曲を聴いて選びました。使っている「冬に台北に来て雨を見る」という曲ですが、大陸の人間にとっては冬に雨が降るということ自体がとても意外なわけで、同じように台北の人たちには台北に雪が舞うというのが意外なわけで、そういう季節感を表すのにこの曲がぴったりでした。2箇所で使っていますが、最初は10年前に録音されたもので2回目は10年後にセルフリメイクで歌い方を変えたものなんです。メイがステージで歌ったのは台湾の人気歌手チア・チェンの曲です。「旅の意味」というタイトルで、これも歌詞が内容に合っていると思いました。
Q:あえて撮影で苦労したエピソードを
C: ラストの消防車の泡を雪のように浴びるシーンで、あれは機械を使って泡を飛ばしているのですが何回も真っ白になって鼻からも口からも入って正直かなり辛かったです。
T: 最初監督が「あまり演技をしすぎるな」と言われて困ってしまったことです。とてもいい勉強になりました。
Y: 本当に楽しいことばかりで・・・(ボーリンが横から「タバコ」と)・・・僕はタバコを吸わないのでタバコを吸うシーンが辛かったです。本当に楽しい撮影があっという間に終わってしまったのが辛かったと言えると思います。役作りでずっとストイックに皆と遊べなかったので打ち上げでは大いに発散しました。
M: 僕はバイクに乗るシーンが多いのですが、実際にはあまり乗れなかったので2週間練習しました。真冬にバイクですから変な目で見られました。それに走るシーンも多くて、たまたま転んだら「それがいい」と言われて何度も転ばされたことくらいです。
F: 僕は本当に父親のような気持ちで彼らを見ていました。かわいそうだと思いながらも、やってもらわなくちゃいけないことも多々ありました。ボーリンが唐辛子の早食いコンテストに出場するシーンは、他の出場者はスタッフでした。全員、本物の唐辛子を食べたんですよ。それからトンヤオが天使の格好でステージで歌うシーンがありますが、スタッフは全員ダウンを着ているような真冬の撮影でした。大変だったと思いますが、快くやってくれて助かりました。中国語では感動させるの「動」と寒いという意味の「凍」が同じ発音なんですが、どっちの「トン」を選ぶかと聞いたら感動させるほうを取ると言って笑顔で歌ってくれました。



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ここで時間切れ。監督はまだまだ話したいことがたくさんあると残念そうでした(笑)。

『台北に舞う雪』 2010年正月第2弾、シネスイッチ銀座他全国順次ロードショー
エジプト映画(オマー・シャリフのコメディ!)を一部だけ観て、そのあとこの会見、
そのまま陳果(フルーツ・チャン)&崔健(ツイ・ジェン)監督による「成都、愛してる」の
ティーチイン取材、そのままタイ映画「ベスト・オブ・タイムス」を観てから
会見のテープ起こし@六本木の喫茶店。

2009年10月18日(日) 15時 @六本木ヒルズ

写真は主催者の許可を得て撮影しています。
無断転載御遠慮ください。
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F: 霍健起(フォン・ジェンチー)監督


C: 陳柏霖(チェン・ボーリン) T: 童瑤(トン・ヤオ)


Y: 楊祐寧(トニー・ヤン) M: 莫子儀(モー・ズーイー)
Q:日本人による脚本、台湾でのロケについて

Q:監督の印象は?




F: 俳優は誰もとても繊細だと思うから、あまり厳しく怒ったら演技が萎縮してしまうだろうと思いました。ましてこの4人は本当に若くて可愛らしくて華やかで、とても彼らを怒るなんてできませんでした。彼らが演じるキャラクター
はどれも私が大好きなものなので、温かいチームワークで温かい作品を作り上げることができたのだと思います。
Q:役作りについて
C: 僕が演じるモーという青年はチントンという町を一度も出たことがないから、きっと外の世界のとても好奇心を持っているだろうと考え、それを強調しようと思いました。実際の僕はこの世界に入ってあちこち飛び回ってとても視野が広がりましたが、モーはそれがないから世間を広く知りません。そのぶん、純粋な心を持ち続けていると思うのでそれを演じようと思いました。モーは町の人々の暮らしを助けて忙しそうに見えますが実は一種の現実逃避なのではないかと解釈しました。いなくなった母親や夢を追いかけたいけれど、どうすればいいのか分からない。そういう気持ちを紛らわすために忙しく働いている、そういう理解でモーを演じました。
T: メイという歌手を演じることになって、脚本を読んで自分なりに考えた役作りは、個性の強い歌手というものでした。その後監督と会ってお話を聞いたら「ナチュラルで天然な感じでやって欲しい」ということでした。その方がリアリティがあり人を感動させるだろうと。なるほどと思い無理に演技を作ることを止めました。むしろ私自身に近いものを引き出し、あたかも私がチントンの街に暮らしている中でモーやレイ(楊祐寧)に出逢った、という気持ちで今までの経験を活かして演じてみました。

Y: 僕が演じたレイという音楽プロデューサーは陰鬱でアンニュイで、音楽に対しては非常に厳しい完ぺき主義者なんです。実際の僕とはまったく正反対の性格です。だからみんなと一緒に遊んだりしたかったのですが、役作りのためになるべく皆に近づかず楽しそうにしている彼らに染まらないようにするのが本当に辛かったです。でもその気持ちが役作りには有効だったと思います。今回の役は髪型やファッションも今までとまるで違っているので、僕のそういう一面を見てもらえると思うし僕にもこういう役ができるんだというアピールにはなっていると思います。
M: 僕はジャックという芸能記者を演じています。観客を映画の中に引き込んでいく役柄だったと思います。メイという失踪した歌手を探して台北からチントンの街へ観客をいざなうわけです。実際、台湾では僕たちと芸能記者というのはとても微妙な関係にあります。だから記者の友人にどういう気持ちでスターを追うのかを聞いてみました。ニュースとして価値のあるもの(売れるもの)が優先されることに、彼らなりに葛藤を抱えていることを知りました。その話はとても参考になりました。ジャックは記者としてではなく、個人的感情でメイとモウを助けたいと思うようになる。彼らが新しい道をみつける手助けをしたいという思いを次第に強めていくわけです。

Q:中で使われる音楽の選曲について
F: 台湾ポップスは中国でも有名です。たくさんの曲を聴いて選びました。使っている「冬に台北に来て雨を見る」という曲ですが、大陸の人間にとっては冬に雨が降るということ自体がとても意外なわけで、同じように台北の人たちには台北に雪が舞うというのが意外なわけで、そういう季節感を表すのにこの曲がぴったりでした。2箇所で使っていますが、最初は10年前に録音されたもので2回目は10年後にセルフリメイクで歌い方を変えたものなんです。メイがステージで歌ったのは台湾の人気歌手チア・チェンの曲です。「旅の意味」というタイトルで、これも歌詞が内容に合っていると思いました。
Q:あえて撮影で苦労したエピソードを
C: ラストの消防車の泡を雪のように浴びるシーンで、あれは機械を使って泡を飛ばしているのですが何回も真っ白になって鼻からも口からも入って正直かなり辛かったです。
T: 最初監督が「あまり演技をしすぎるな」と言われて困ってしまったことです。とてもいい勉強になりました。
Y: 本当に楽しいことばかりで・・・(ボーリンが横から「タバコ」と)・・・僕はタバコを吸わないのでタバコを吸うシーンが辛かったです。本当に楽しい撮影があっという間に終わってしまったのが辛かったと言えると思います。役作りでずっとストイックに皆と遊べなかったので打ち上げでは大いに発散しました。
M: 僕はバイクに乗るシーンが多いのですが、実際にはあまり乗れなかったので2週間練習しました。真冬にバイクですから変な目で見られました。それに走るシーンも多くて、たまたま転んだら「それがいい」と言われて何度も転ばされたことくらいです。
F: 僕は本当に父親のような気持ちで彼らを見ていました。かわいそうだと思いながらも、やってもらわなくちゃいけないことも多々ありました。ボーリンが唐辛子の早食いコンテストに出場するシーンは、他の出場者はスタッフでした。全員、本物の唐辛子を食べたんですよ。それからトンヤオが天使の格好でステージで歌うシーンがありますが、スタッフは全員ダウンを着ているような真冬の撮影でした。大変だったと思いますが、快くやってくれて助かりました。中国語では感動させるの「動」と寒いという意味の「凍」が同じ発音なんですが、どっちの「トン」を選ぶかと聞いたら感動させるほうを取ると言って笑顔で歌ってくれました。



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ここで時間切れ。監督はまだまだ話したいことがたくさんあると残念そうでした(笑)。

『台北に舞う雪』 2010年正月第2弾、シネスイッチ銀座他全国順次ロードショー
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- テーマ:[☆.。.:*・゚中国・香港・台湾映画゚・*:.。.☆]
- 21:54
- 【東京国際映画祭2009】
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音楽について教えてください。
どこかで配信していたら教えてください。
もうそのスローな雰囲気の音楽だけで、ほんのり心温まる感覚がたまらないです。
見てきました
参戦できてよかった(^_^)
ただ、舞台挨拶が想像以上に短くて残念でした。せめて全員から、作品についてのお話を聞きたかったな。
……なんてこと思っていたので、記者会見の内容をアップしてくださった、もにかるさんに感謝です!多謝!
フォン監督の「山の郵便配達」が良かったので、注目していたのですが、映画祭のチケット取れずに残念です。公開したら見に行こうと思います。
兵役後のトニー・ヤンも出演していますね。以前よりしっかりしたような。
チェン・ボーリンは記者会見で雪の正体を思いっきりバラしてくれましたね(涙)