会見のあとに3時間弱のインド映画
『DON 過去を消された男』の試写に行ったもので帰宅が遅くなりました。しかも写真は連写で500枚(笑)。しょせん素人ゆえ、へたな鉄砲も数撃ちゃあたる方式

。ましな数十枚の修正に手間取りましてこんな時間に…)。
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ここから追記 読み応えありすぎ(笑)登壇者:
呉宇森(ジョン・ウー)監督・・・北京語
梁朝偉(トニー・レオン):周瑜・・・広東語
林志玲(リン・チーリン):小喬・・・北京語
張震(チャン・チェン):孫権・・・北京語
金城武:諸葛孔明・・・日本語
中村獅童:甘興・・・日本語 写真は主催者の了解を得て掲載しています(photo by monical)。 また、以下は完全採録ではありません。monicalの受け止め方で編集・構成しています。無断転載・使用はご遠慮ください。
会見はリッツ・カールトン東京で行われました。最近はここやペニンシュラ東京など新しい高級ホテルが会場になることが多くなっています。 でも今回に限ってはあまりにマスコミが多くて酸欠になりそうでした(笑)。 大盛況でめでたしメデタシ。


●呉宇森(ジョン・ウー)監督 
「皆さんの応援があって20年来の夢を形にすることができました。今回は、中国大陸や台湾・香港そして日本を含め素晴らしいスタッフ・キャストに恵まれました。
この作品は三国志の中でも最も有名なエピソード“赤壁の戦い”を描いています。友情と勇気、そしてこの作品に平和への願いを託しているので出演者の名演技も併せてぜひ楽しんでください」

「今の気持は一言では表現できません。香港映画でもハリウッド映画でも日本で取材を受けてきましたが、今日のように大勢に来ていただいたのは初めてで、とても感激しています。
こんなに注目していただき温かい応援をくださることに感謝したいと思います。素晴らしいキャストに恵まれて良い作品が出来上がったわけですが、今日はこの会場の皆さんのサポートをひしひし感じています。今後新しい作品に臨む時も、今日の皆さんの顔を心の支えにしていきたいです。
この作品のテーマは友情です。敵に立ち向かうには友人のサポートが重要だということをこの作品を通じて皆さんに伝えたかったのです。
今回の作品に莫大な投資をしてくださったエイベックスにも感謝します。おかげで20年にわたる夢を叶えることができました。新しい三国志をお楽しみいただきたいと思います。登場人物はみな生き生きとリアルに描かれているので、それもぜひ感じてください」

「私がこの作品を通じて訴えたいのは愛と友情と勇気です。戦争は残酷です。残酷なほど平和の大切さを感じるわけです。このメッセージは特に後篇で表現しています。
もう1つ注目していただきたいのは、陣の張り方です。本で読んだことはあっても実際映像で見たことはないと思いますから、当時の兵法…船に火を放つというようなシーンなどのとてもスケールが大きな再現も楽しみにしてください。
今回の撮影はアメリカ・韓国・日本・香港・台湾から素晴らしいスタッフが終結しています。集団の力・努力の結晶の作品です。アジアの力でハリウッドに匹敵する合作映画が製作できるということを見せつけ証明したわけです」

「(製作費が不足して私財を投じたことについて)日本で大ヒットしたら回収できるでしょう
(会場爆笑)。
この作品には特別な思い入れがあるので、どんな困難にぶつかっても必ず乗り越えていこうと思っていました。ハリウッド方式だと予算をオーバーしたらほかのシーンを削るんですが、私はそんなやり方をしたくありませんでした。すべてのシーンを丹念に準備し、そのためにスタッフも苦労を共にしたのですから、すべて一つ一つ丁寧に撮っていきたいと考えていました。ですから私財を投じましたけれども、特に気にしていません。どうせ準備の3年間は(収入がなくて)1日2食の食事がせいぜいだったのですから(笑)。
仲間たちは十分に報いてくれました。たとえば中村さんです。現場に着いた初日にワイヤーワークをすることになり、初めてなので1回目で首をひねってしまったことを一切言わずに7・8回撮影に臨んでくれました。OKが出てから初めてアシスタントの人から聞いて、現場にいる人間すべてが中村さんのプロ精神に感動したんです。日本人の精神というものを学ばせてもらいました。
金城さんもそうですが、事前に多くの参考書を読んで、私が見落としてしまっている部分を指摘してくれたりしたおかげで、生き生きとした人物像が出来あがったと思っています。ありがたかったです。
トニーとは長年の貴重な友人です。現場では常に20キロの鎧を着込んでいるのに、自分のシーンではなくても休まずスタッフの面倒を見たりコミュニケーションをとったりして疲れた様子を見せませんでした。
チャン・チェンの、理想に燃え反逆精神を持ち何事もくじけずに頑張る姿を見ていると自分の若いころを思い出しました。
美しいチーリンは現場で素晴らしいサポートをしてくれましたし。
すべてを総括すると、いろいろ大変なことはありましたけれども、私はこれだけ素晴らしい友人たちに支えられたから困難も乗り越えていい作品を仕上げることができました。それは私にとってお金のことよりもずっと大切なことです。
また岩城(太郎)さんも素晴らしい音楽を作ってくれました。音楽によって映画はいっそう魅力的になりました。感謝しています。
●梁朝偉(トニー・レオン) 
「全くプレッシャーというものは感じていませんでした。小さい時に三国志は読んでいました。それを再認識できたのは嬉しかったです」
※MCから結婚のお祝いと感想を聞かれて会場から笑い。通常、映画以外のことは聞くなと事前に釘をさすMCが自ら話を振ったから) 
「一緒にいた時間が長かったんですが、とても楽しくやっています」
一斉に拍手

「今回監督は人々を励ますというテーマを真正面から取り上げているのがとても嬉しいです。伝えるメッセージがとても前向きだからです。たとえば団結の大切さ、平和や希望のすべてがメッセージとして映画の中に込められています」

「資金が不足して監督が自腹を切った話は聞いていましたが、確かめることはしませんでした
(会場爆笑)。
そういうことを確かめるより脚本をしっかり読みこんで役作りした方がいいかなーと思って。それに聞いたら監督によけいプレッシャーをかけるでしょうから。監督は本当に恩義に厚いいい人なんです。皆で一致団結して困難な時もとにかく楽観的に前向きに乗り越えようとしました。それが実を結んで嬉しいです」

「(撮影で滞在したホテルで中村獅童さんと)できなかった卓球をこの機会にやりたくても、今回は取材がビッチリで時間がありません
(会場爆笑) 。次の機会を楽しみにしています。実は中村さんから卓球の映画のDVDをいただきまして
(註:『ピンポン』ですね)、それを観たら怖くてとても相手はできないと思いました
(会場爆笑 註:確かに「ピンポン」の中村獅童は眉毛がない強烈なキャラでした)。

「今回は初めての体験をたくさんしました。これほど多くのエネルギーを必要とした作品はこれまでありませんでした。暑かったり寒かったり、乗馬も立ち回りもこなさなくてはならないし、さらに琴まで弾かなくちゃならないし、すべてがいい経験でした」
●金城武 
「三国演義に登場する、色々な分野で活躍した歴史上の人物・諸葛孔明を演じました。僕が育った台湾では神様の一人として廟に祭られている存在でもあります。いろいろな孔明像がありますけれども、監督が思い描く孔明像にすることが出来たと思っています。
監督とは初めて仕事をしたわけですが、ウー監督は最高です。オファーが来た時は本当に嬉しかったです。
初めて監督と会ったのは、監督が『フェイスオフ FACE/OFF』でプロモーション来日された時のレセプションでしたが、一ファンとして緊張していた僕に“金城くんはどんなジャンルの映画に出るのが好きなの?”と聞かれて“コメディです”と答えてしまいまして。
(会場爆笑)マネージャーに“アクションって言わなきゃ”ってつつかれました。それでも今回誘ってくださって本当に嬉しくて光栄に思っています。

「いかに多くの困難があっても友情や絆で必ず乗り越えられる、というメッセージは素晴らしいと思います。
僕は前篇を見ましたが、三国志ファンとして普通に面白くて趙雲や関羽が出てくると拍手したくなるような。登場人物を知っていたら嬉しくなっちゃうと思うんです。
アクション、ロマン、絆、友情のすべてを含んだ豊かな作品なので、どの側面から観ても面白いと思います」

「孔明的なクライマックスは後篇。彼のさまざまな歴史的エピソードが登場すると思います。僕が演じる孔明だけはアクションシーンがないのは幸いだったんですが、なにしろ夏の撮影が本当に暑くて。小道具の団扇が役に立ってよかったです(笑)」
●張震(チャン・チェン) 
「(日本語)コンニチハー、チャンチェンデス。出演のオファーを受けた時は驚きました。この作品は私にとって本格的な歴史もの、しかも孫権役です。
驚きのあとには喜びがわいてきました。なにしろ製作費の莫大な大作で、各地域から参加する名優たちの中で孫権を演じられるんですから。
でもその喜びは長くは続かなくて次に来たのが緊張でした。歴史上の人物を演じるプレッシャーはとても大きかったです」

「僕も後編はまだ見ていませんが、やはり見どころは最後の赤壁の戦いの場面でしょう。そこでやっと 僕もアクションシーンがあったので嬉しかったし、病みつきになりそうです。
敵方の曹操軍のメンバーとはなかなか一緒にならないのですが、ある時ホテルでバスケットをしていたら、曹操役の張豊毅(チャン・フォンイー)が大勢を引き連れて運動していました。それが実際の撮影場面で彼が率いる猛将たちだったと現場で判明しました。
撮影自体が本当に三国志の時代の戦争のようで味方とはいつも団結しているけれども敵陣にはなかなか踏み込めませんでした(笑)」
●中村獅童 
「甘興役をやらせていただきました。これだけ壮大なスケールの映画に出演させていただき、早く日本の皆さんに見ていただきたいと思っていて、この日を迎えることができてとても嬉しく思っております」

「スケールの大きさは驚きの連続で、たとえば城のロケはどこかの城を使うのかと思ったら映画のために城のセットを作ってしまうし、エキストラも何千人単位ですし、ひとつひとつに驚いていました。
最初監督に会って話をした時、アクションはあまりないし最初の1週間はセリフ中心だからと言っていました。ワイヤーなどあるなら練習したいので事前に教えてくださいと言ったんですが、ワイヤーワークはないからと。ところが行ってみたら初日からワイヤーワーク。言ってること全然違うじゃないかと
(会場笑)。あの広い大地で全速力の馬に乗って槍を振り回して、向かってくる刀を後ろに反って避けてくれ、できるか、って言われて「えっ」と思ったけれど「やらせていただきます」と。それがとても印象に残っています。
当初の予定では数シーンだったのをどんどん増やしていただいて、アクションシーンも出番が増えていったのがとてもありがたかったです」

「トニーさんは本当に優しくて無口なんだけれどいつも僕を気遣ってくれて
(ニコニコのトニーを指して)、まさしくあーいう感じでした。
撮影中はホテルも一緒だったので卓球をしようと言っていたんですが、時間が合わなくて出来ずじまい、食事にも一緒に行けませんでした。そうしたらクランクアップの時に連絡先とメッセージとプレゼントをいただいて宝物になっています。

「いろいろなことを吸収したかったので、僕はずっと現場にいたり監督のそばにいたりして、そうしているうちに冗談が通じあうようになって、失礼かもしれませんがお父さんのように可愛がってくださって楽しかったです。
北京語のセリフは一応日本で覚えてから中国に渡ったんですが、変更も多かったのでフィルムが回る直前まで通訳の方に何度も言ってもらって耳に焼き付けて…外国の歌を覚えるのと同じで音を聞く感覚でやっていました」

「馬に乗った戦闘シーンはぜひ観ていただきたいです。驚いたのは、アクションシーンでは10台以上のカメラが回っていたことです。崖の上からも撮影していたりしていますから、迫力のある映像になっています。
最初に監督に会った時、2時間近くお話を聞いて監督の熱い気持ちが伝わってきたし、それがそのまま画面からも伝わると思います。僕の最後のラストシーンは、日本に帰国する直前までものすごく時間をかけて撮影しています。後編の出来上がりを楽しみにしています」
●林志玲(リン・チーリン) 
「(日本語)ミナサマ、コンニチハ。チーリントモウシマス。ミナサマニアエテウレシイデス、ヨロシクオネガイイタシマス」
(会場から拍手。他の人はなかったのに:笑) 
「ワタシハエイガハツチョウセンデシタ
(ここまで流暢な日本語)。初めての映画出演ということで緊張しました。自分がうまくできる自信がありませんでしたが、役作りのためにいろいろなレッスンのカリキュラムを組んでいただいて、演技をするとはどういうことかが少しずつわかってきました。私のためにそういう環境を作っていただいてとても感謝しています」

「映画初出演なので最初はとても困りました。トニーさんのような大スターと共演する恥ずかしさがなかなか抜けずコントロールできなくて赤面してしまうんです。監督は小喬を演じる時はとにかく柔らかさの中にも芯の強い女性を、という要望でした。全編ではしなやかで優しい小喬が後篇では芯の強さが前面に出てきます」

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皆吉忠三郎さん
ヒットしてほしいですね。